FITNESS24 Presents特別対談

甲斐 政博

トランジットジェネラルオフィス
クリエイティブ・ディレクター

永友 達大

FITNESS24
General Manager

次世代のフィットネスの現場に
空間装飾がもたらす新たな可能性

雑誌「NEXT」2020年3月号掲載

2019 年10月より新たに「Simple Daily Life」をコンセプトに掲げ、リニューアルオープンした「FITNESS24円山店」。
お客様に愛されるブランドを目指すべく、24時間いつでも気軽に利用できる営業形態と、通いやすいリーズナブルな価格設定はそのままに、“全ての人にとって居心地の良いリラックス空間”の提供を目指している。様々なジャンルの企業よりブランディングのオファーがくる 「トランジットジェネラルオフィス」(以下トランジット)にリブランディングを依頼し、フィットネスジムの既存のイメージだけではない“新しい世界観”が感じられるような空間に仕上げた。
今回は空間装飾がフィットネスにもたらす新たな可能性についてお話を訊いた。

トランジットをパートナーに選んだ理由について教えてください

甲斐 政博さん

永友: 弊社は北海道を拠点に10店舗展開しています。素人ながら各店舗ごとにコンセプトを決め他社との差別化を図ってきました。仕事で都内へ来ることも多く、その時は決まってお気に入りのカフェに行くんですが、その空間がとても好きで、こういった空間プロデュースをうちのジムにもお願いできないかと思ったのが始まりですね。

依頼を受けた時は、どんな印象を受けましたか?

甲斐: ジムのプロデュース経験はなかったものの、近年のウェルネスブームもあり新たな市場として気になっていました。様々なジムを見ていて「この空間をもっとよりよくできるはずだ」と感じていた直後だったので、とても興味を惹かれました。お話をいただいた時、代表と福岡にいたのですがその足ですぐ札幌に飛びました。弊社としても新たな市場だったのでワクワクしました。当時あった8店舗全て、一号店から順番に拝見していきました。店舗ごとにニューヨーク、カリフォルニアなど異なるテイストをいれていたことが印象に残っています。永友さんが空間の作り方に力を入れているのが伝わってきました。これはもっと進化できるし、僕らでお手伝いできることも多いなと感じご提案させていただきました。

甲斐 政博さん

永友: 依頼前は都内のジムに視察に行き、マシンの選定や配置について独学で学んでいました。多くのインプットがありましたがどの店舗も重厚感が印象に残り、求めていた「心地よくトレーニングができる場所」とはかけ離れていました。ジャンルにこだわらず、様々な店舗に足を運ぶうちに、アートと融合しポップな空間にしたいと思いつきました。同時にどの店舗もコンセプトが確立されていないことに気が付きました。

永友 達大さん

甲斐: 私たちは通常トータルブランディングのお仕事をお手伝いをしています。ブランドを構築していくうえで多店舗展開していこうという時に絶対に軸になるコンセプトを一つ持たなければいけないと強く思ったんです。FITNESS24の場合、思いは一筋あるが、表現する軸が模索中だったのでブランドのストーリーをまとめ、提案させていただきました。

永友: 思いはあるけれど、それを形にすることができていなかったんです。そこを甲斐さんがコンセプトブックにまとめてくれた。私たちがお客様に伝えたい思いが、同じ熱量で伝わりやすく詰まっていてとても感動しました。更にそれだけではなく、ロゴも一新しましょうと提案を受けたのですが、実はそのロゴを手掛けた方もトランジットに紹介していただいた大御所のデザイナーさんでした。大手商業施設などのロゴを手がけている方で、紹介いただいた時もそんなすごい人がうちのロゴ作ってくれるの!?と驚きました

甲斐: 企画したものに、様々な方のお力をいただく事で、期待を超えるより良いものに作り上げることができると考えています。リブランディングしようとなった時はロゴまでは意識されてなかったと思いますが、僕らとしてはコンセプト整理、ロゴデザイン、空間デザインの三つをお手伝いし、改めてスタートラインに立っていただく事をお勧めしています。

実際にリニューアルをされどんな変化がありましたか

永友: 内装工事のために2週間ジムを締めたんです。利用者の方からもクレームや退会希望者も出てくるだろうと踏んでいましたが、多くの会員様がリニューアルを楽しみに待っていてくれて、すごく施設が良くなったね。明るくポップになったね。いい空間になったね!と言っていただけて、中には会費あげなくて大丈夫なの?と心配してくださる会員さんもいました。丁寧な提案や説明があり、本当にお任せしてよかったです。

甲斐: 内装を変えた場合、多くの店舗ではコンテンツを増やし金額を上げたりすると思うのですが、FITNESS24さんはそれをしなかった。システムはシンプルに値段は今までと変えずに、かつお客様が満足いく空間を付加価値として更に費用をかけてやっていこうという考えが素晴らしい。東京にないのが本当に残念。あれば僕自身も必ず通っていますね。

フィットネスの現場に空間装飾がもたらす可能性や効果について教えてください

永友: フィットネスが日常になりつつある今、同業態のジムが増え、現状価格競争化しつつあります。どのように差別化を図りお客様に価値を感じていただくかというと、他で取り入れていないようなアートやグラフィックを取り入れた空間を用意したり、スタッフの接遇やサービスの強化空間がより鍵となってくるのではないでしょうか。そこに充実したマシンのラインナップがあることで相乗効果を生み、通うのがステイタスと言っていただける効果を確実に生んでいると思います。

甲斐: 実は僕元々運動習慣がなかったのですが、最近ジムに通い始めて4か月続いているんです。以前は2か月でやめてしまいました(笑)。なぜいま続けられているかというと、それは、自分に合う場所が見つかったから。これが今の質問に対してすべてを物語っていると思います。
運動習慣のない人も、空間が好き、ここに通いたい。といった理由から通ってもらえるようなジムを作っていきたい。皆さんが、普段息抜きにふらっと通うカフェのように、昔は特別な空間と言われていた場所も、気づいたら当たり前になりつつあるようにこだわりを持った空間にしていきたいです。

永友: 更に言えば、弊社で働くスタッフがここで働きたい!と思うようなジムを作ることが、店舗を訴求するために特に大切だと考えています。内装や、マシンを充実させることで、FITNESS24の一番のファンを増やしていきたい。お客様に素直にFITNESS24の良さを伝えられる環境を作っていきたいです。

甲斐 政博さん Masahiro Kai

Profile Creative Directorクリエイティブ・ディレクター
文化服装学院を卒業後、アパレルや商業施設開発などのコンサル会社を経て、2009年トランジットジェネラルオフィスに入社。レストランやカフェをはじめ、商業施設やマンション、オフィス、電車、アパレルブランドなど、多岐にわたりブランディングプロデュースを担当。これまでの主な担当プロジェクトとしては、商業施設「シェアグリーン ミナミアオヤマ」、avex新社屋「ロビー、食堂など」、西鉄観光列車「レールキッチン チクゴ」、恵比寿ガーデンプレイスの横丁「ブリック エンド」、リノベーションマンション「イニシア アイディー」、コーヒーロースター「リトルダーリン コーヒーロースターズ」など。

永友 達大さん Michihiro Nagatomo

Profile FITNESS24 General Manager
1993年生まれ北海道出身北海学園札幌高等学校
北海学園大学経済学部卒業
競技歴:2017 JBBF 北海道メンズフィジーク選手権[1st]
2018 IFBB GLOBAL CLASSIC Macau[5th]
2019 NPCJ NORTH JAPAN NOVIS +175[1st]
2019 NPCJ NORTH JAPAN OPEN +175[2nd]

入会申し込みのご予約はこちら